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機関員用曲擬応対マニュアル

曲擬応対のためのマニュアルである。基本的な事項であるが、特に秘匿と書かれる場合がなくともここにかかれる内容は曲擬には非公開であるため曲擬すべてが既知ではない。

​ 概要

曲擬は第六聖典による特殊活動原理に基づき無形動力で活動することが可能な人ならざる者。

自身を他者に演奏してもらうことが一種の食事であり、自身が演奏された場合の演奏会の利益の一部や楽譜の販売、CDの売り上げの一部が収益となるように機関が定める。

​ 運用目的

曲擬運用の第一目的は怪異討伐にある。怪異討伐に適合した戦闘力、及びそれに付随する能力を保持し、全個体何らかの怪異、または泥の清掃、討伐に参加させる必要がある。

これは機関発足時の六家協定に定められており、清掃、討伐に関わらない曲擬、または星疑がある場合は、六家への開示が必要となる。それも一定数を超過すると処分、もしくは戦闘参加させなければならず、これを違反すると六家制裁により運用権限の一部停止などが課せられる。

第二目的は資金調達にあるが、この資金調達による機関の勢力過剰拡大を抑止するため、前記の協定が定めている。曲擬、または星疑によって得た資金は、機関運用、曲擬​、星疑の生活、養育、生産、聖典研究にあてられるもので、資金運用に関しては六家、保坂の家督のものが行う。

​ 燃料

曲擬は第六聖典による特殊活動原理に基づき無形動力で活動することが可能である。

曲擬における無形動力は主に生演奏によるものであり、それがいつどこでどのような形式で行われていても動力変換することが可能。生演奏を目の当たりにする場合(曲擬に音が直接聞こえる範囲にいる場合)特に多く動力を得られ、演奏の良し悪しによっては快楽物質が分泌され、良い場合絶頂に達することもあるが、悪い場合体調に悪影響が出ることもある。

この無形動力を曲擬はMDCS(MUSIKE dedicated energy converted by scripture gift )に変換し、燃料とする。

MDCSは曲擬の血液に主に存在するエネルギーであり、曲擬のみに適合する。曲擬であれば個体問わず共通で使用可能なため、定期検診や治療時に投与することが可能。酸素に触れることで固体となる。損傷によりロストした曲擬は一定時間経過すると体表面に固体化したMDCS結晶が浮かび上がるが、正しくは体外分泌された液体MDCSが酸素との結合により急速に結晶となる。

曲擬は無形動力も含め、人間と同じように食事をした場合でもMDCSに変換可能であり、通常、人間では消化できない物体でも、体内に入れればMDCSに変換できる。聖典による効果と推測されるが、経口で摂取したものは体内MDCS量が一定値を超えている場合変換されず、通常の人間の消化器官の運用をもって排出物となる。MDCSがあらゆる体組織の構築、再生を担っているため、MDCSさえ確保できれば餓死、壊死することはない。また、MDCSの影響で睡眠の概念が消失しているため、後述する動力摩耗の回復が難航する。

​ 動力

動力摩耗を燃料項で触れたが、動力は曲擬を動かすいわば体力であり、こちらは摩耗すると睡眠で回復する必要がある。戦闘行動による能力の行使はもちろんだが、日常生活においての活動においても摩耗し、曲擬体感においては疲弊といった症状として表れる。しかしMDCSの影響で睡眠という形の回復方法をとることが難しいため、曲擬間での接触をスイッチに休眠プログラムが作動するようになっている。

動力摩耗進行度に準じてプログラムフェーズも進行し、摩耗進行度が高ければ高いほど軽度接触で入眠する。特に兄弟間での効果が高い。休眠中は個体にもよるが外部からの影響等がない限りは全快まで眠り続ける。

また、兄弟がいないか重度の睡眠障害を抱える曲擬は特別に入眠剤が処方されている。

動力摩耗で完全に擦り切れると動力が停止し、昏睡状態に陥る。

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